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時代を読む

皆様のお役に立てればと思い、「時代を読む」として、情報を記載し、ご縁のあった方々にお送りしております。

様々な時代の波をおかげさまでなんとか乗り越えてきた私の感性で、思いつくまま話をします。

何か一つでも新たな発見となれば幸いです。

エリアリンク株式会社 代表取締役 林 尚道

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VOL.64 2005年4月号

本物のサービス業時代

今回は、本物のサービス業の時代というテーマでお話しします。

サービスに関し、本当に時代が変わったという感があります。20世紀というのは、物が主役の時代、物不足の時代で、それは文明が発達したせいでもあるのですが、いいかどうかは別として、テレビや冷蔵庫、家、それらが世の中に普及して、徐々に贅沢になりながら、商品があればそれだけで売れていった時代でした。サービス業でなくても、物が出れば、売れていった、食べられた、買ったという時代だったと思います。

これからは、心の満足が重視され、食べられたとか、持てたというのではなく、21世紀は、物が主人公ではなく、ようやく人間が主人公になった、いい時代の始まりだと思っています。お客様の満足といいながらも、本当の満足を追求する部分は弱くて、なんとなく押し売り的に物を売れば、なんとなく売れるという図式がいまだ横行していますが、もうそんな時代は終わったと思っています。

これからは、各自一人一人が主人公になる時代で、サービスも変化しなければいけない時代です。例えば、サービスもマニュアル化されていた20世紀を象徴する極端な話として、ハンバーガーを100個くださいといったところ、いらっしゃいませ、お持ち帰りですか、それとも店内でお召し上がりですか、と聞かれたという話があります。とても臨機応変とはいえず、とにかくマニュアル通りにやっている、そんなものはサービスとはいえず、単にテープレコーダーに吹き込んだ声でも代用できます。

最近私がよくいうのが、感動のサービス、さすがだなと思わせるサービス、参ったといわせるサービス、そういう心のこもったサービスをしないと、これからは勝ち残れないと思います。それは、電話の出方ひとつをとってもそうですし、商品の説明もそうでしょうし、それぞれに対してどういう形で対応していくかで、もちろんある程度のマニュアル化は必要と思いますが、各自が本当にその人の為にお役に立ってあげたい、その人に満足を与えたい、その人に何とかしてあげたい「心」があるかどうかが、非常に大切な要素だと思っています。

そういう中で、私たち不動産管理業でいいますと、「借りやすくて出やすい」これがひとつのキーワードになると思います。今まで日本では、とにかく借りにくく、出にくい、借りるときにたくさんお金がかかり、出るときにもかかる、こういう時代を経てきたわけです。それは、住宅が足りなかったという事情がそうさせてきたわけですが、これからは、入りやすく出やすくするにはどういう仕掛けが必要か、マンスリーマンションでもそうですが、店舗、事務所、倉庫等でも、その考え方が必要になってくる時代だと思うのです。時代の流れが速いという事情もありますから、事務所も入ったらすぐ手狭になってきて、その際には簡単に次のところに動ける、または駄目であればすぐにやめられる、こういう仕組をつくってあげないと、社会が活性化していかないと思うのです。

それから、鉄道関係、あるいはゼネコン、タクシー等、古くからある業界で、従来「労働」を提供しているような業種では、単なる労働力という捉え方では、年々評価が下がっていくと思います。これから、海外の労働力も入ってくる可能性を考えると、単なる労働力の提供では、どんどん賃金は下がって行くでしょうが、それをサービス業化すれば、賃金は上がっていくと思います。ですから、単に労働を提供しているというのでは、もう駄目で、これはサービス業と捉え、電車に乗ったお客様がすごく満足した、あるいはゼネコンを利用して工事だけではなくて、その後の対応がすごくすばらしかったとか、タクシーに乗ったら最高の感動があり、すばらしいサービスを受けたことにより心が温かくなった、癒された等、人に感動を与え、さすがと思われ、参ったといわれる、この部分を徹底していかないと、これからの業界は駄目だと思います。

インターネットが発達して、メールでのやり取りが増えてきた、これは情報がすばやくたくさんやり取りでき、いいことだと思います。ですが、これで本当に感動を与えられるかというと、難しいと思います。私も、社員と毎日、日報をやり取りしますが、メールでの「ありがとう」これは、確かにありがとう、なのですが、それ以上でも以下でもないと思うんです。誰が打っても、あるいは代理人が打っても、単なるありがとう、です。そうではなく、筆ペンで「ありがとう」と書いた場合はどうでしょうか。やはりコミュニケーション手段というのは、アナログだと思います。人の仕草、言葉、心の中の表現というのが、すごく重要だと思います。私も、拙い字ですが、お客様に会ったら手書きでお礼の手紙を書いています。別に字は汚くてもいいと思うんですね。それは、その人だけに送られる、私だけのメッセージ、あなたに私のメッセージをお送りします、という事を私ができるサービス、私ができるあなたへの思い、私にしかできないこと、要するに、相手も人間であれば、こちらも人間、オリジナルのメッセージを送る時代がきたと思います。だれがやっても同じようなサービスでは駄目で、私ならもっとあなたを満足させられる、もっといい思いをさせてあげたいという事が、皆が思っていくようになれば、サービス業というものはどんどん変わっていくと思います。

日本の社会は、非常にバランスがよく、教育も行き届いていて、ほどほどのサービスがチップなしで得られる国です。それをシステム化したのが、欧米のチップ制度ですが、日本にそれが根付くとは思えません。だとしたら、チップがなくても心に感動を与える、満足を与えるという、タクシーや建設、運送、とにかく全業種にサービスという考えが必要だと思います。そういう時代はもうきていて、しかもかなり速い変化です。ここで大きく変えていかないと、次の時代はないし、変えられた人が生き残っていくのだと思いますし、私たちの業にも、絶対にいえることだと思います。不動産業はサービス業にまだなっていないのかもしれません。改めて、そういう時代はきていますし、そういうことに対応できないと生き残れない時代になっていると思います。これは、1年も経ったらそれが当たり前になっていると思いますから、今から是非考えて、本当に一人一人きたお客様がみんな満足していただけるような会社、あるいはお店というものを、ぜひ手がけていっていただきたいと思います。

林 尚道

代表取締役 林 尚道