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時代を読む

皆様のお役に立てればと思い、「時代を読む」として、情報を記載し、ご縁のあった方々にお送りしております。

様々な時代の波をおかげさまでなんとか乗り越えてきた私の感性で、思いつくまま話をします。

何か一つでも新たな発見となれば幸いです。

エリアリンク株式会社 代表取締役 林 尚道

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VOL.186 2015年6月号

VOL.186 2015年6月号

 今回は「冬に備える!」というテーマでお話しいたします。
 現在、世界的に景気が好調です。国内の不動産市況も大変良い環境が続いています。収益不動産への需要が強く、また金利も低い時期であることから、ここ数年ではあり得なかった高値で取引されています。新規の住宅は在庫の少なさから価格が高騰していますし、中古住宅も建築費上昇に伴い価格が上昇しています。特に駅から近い物件は今まで以上の値段がついています。またブランド力のある街の物件など立地的に希少性が高い不動産であれば、今の好調な市況を考慮しても、驚くほど高い価格で取引される傾向もあります。購入する側も日本の富裕層だけではなく、東南アジアの富裕層など海外の方も増えており、世界的な好景気という実感があります。
 一方で、週刊誌や新聞ではバブルの懸念に関する記事が目を引きます。金融の融資姿勢もいい時期ですので、マスコミの情報を鵜呑みにする必要はありませんが、長く不動産業界に身を置く経験から察するに、今こそ冷静な判断が必要な時期だと思っています。
 不動産売買は短期的・効率的に利益を得ることも可能ですので、基幹事業とする経営方針も理解出来ます。しかし、不動産売買を主業とする企業は売買をやめると収益が見通せなくなるデメリットがあります。一方、当社のようにストレージ事業や収益不動産の保有など安定した収入が確保出来るビジネスモデルであれば、たとえ不況が続いても、安定的な経営を続けることが出来ます。今こそ、売買は手仕舞いし、将来訪れるであろう冬の時代に備える勇気が必要だと思っています。高い山には深い谷がつきものです。2020年の東京オリンピックまで現在の景況が続くとは考え難く、好調な市況から離脱することを焦る気持ちに打ち勝って、次の時代の変化に備えるべきだと思います。こういった考えのもと、これからは不動産の売買から離れ、売買以外の事業を拡大したり、次のチャンスに向けて人材教育や社内体制の強化など中長期的なスパンで効果が出てくる施策に目を向けていく備えの時期だと捉えています。
 時代の変化の兆しは見え始めています。例えば、景気回復を受けて大手町、品川、渋谷など東京の主要駅の再開発が進んでいます。建築ラッシュで慌ただしいオフィス街をみると、容積率が緩和されたことでオフィスビルの高層化も進んでいることが分かります。将来的には、この傾向がオフィス賃料の下落を招くことは容易に想像出来るでしょう。建設費が高騰している時期に建てたオフィスビルの利回りが悪化するので、収益不動産のマーケットでも歪みが出てくる可能性があります。
 またマスコミではアパート・マンション一括借上げのサブリース契約による問題がクローズアップされています。「家賃保証の一括借上げ」といいつつも、家賃の見直し条項があることに関しては、不動産業界では周知の事実ですが、お客様がきちんと理解していないまま契約してしまうのはゆゆしき問題だと思います。お客様に喜んで貰える商いしか生き残れないということは昔から繰り返し説かれてきたことですから、このことは不動産サブリース業界にも変革が起こることを示唆しているのではないでしょうか。
 太古、氷河期に入った地球で恐竜が絶滅してしまったように、生物は環境の変化に応じた進化を遂げていかなくては、生き残っていけません。生物の進化の歴史と同じく、企業も環境の変化に応じた進化をしなくてはならないのです。私は今の景況はいわば夏の時代であり、冬は必ず来ると認識しています。もしかしたら恐竜が絶滅する程の氷河期のような冬が来るかもしれません。そして、それが1年後なのか2年後なのか、明確な時期は誰にもわかりません。しかし冬は必ず来ると確信しています。今こそ、厳しい時代がきても順応出来るだけの体力を蓄えるため、財務基盤の改善、社内体制の整備、そして人材教育に力を入れていこうと取り組んでいます。「儲け」より「安定」を選ぶことは、時に勇気がいる判断ですが、これまで以上に厳しい時代を見越した対策を講じていきたいと思います。参考となりましたら幸いです。
林 尚道
代表取締役 林 尚道