エリアリンク株式会社

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時代を読む

皆様のお役に立てればと思い、「時代を読む」として、情報を記載し、ご縁のあった方々にお送りしております。

様々な時代の波をおかげさまでなんとか乗り越えてきた私の感性で、思いつくまま話をします。

何か一つでも新たな発見となれば幸いです。

エリアリンク株式会社 代表取締役 林 尚道

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VOL.203 2016年11月号

VOL.203 2016年11月号

  今年は9月から10月にかけて、海外に行く機会が多くありました。私は、日本にいてもお店の人やタクシーの運転手さんにあれこれ質問して、様々なことを教えてもらうことが多いのですが、海外でも、その国の情報を少しでも多く得たいという気持ちから、現地に住む添乗員の方に案内を頼むようにしています。今回は、現地の方から聞いた話を踏まえ、自分なりに感じたことをお伝えしたいと思います。
  アメリカではストレージを運営する企業を中心に視察を行いました。出店のスピードやエンドユーザーへの貸出賃料の値上げの状況、そして街の様子からは好況な様子が窺えます。一方でシリコンバレーなど新しい産業が成長している地域では、住宅の家賃が高騰しているということも聞き、どこかで一気に均衡が崩れるタイミングがくる可能性を感じました。
  次に、上海を訪問しました。上海では、不動産の価格や住宅の家賃の値上がりが著しく、耐えかねた若い層の住民たちが上海を去る事態も発生しているそうです。不動産価格も家賃も、共に高値のピークを迎えている状況で、上海の不動産価格もどこかで値が崩れる予感がします。また、中国の統計局が先日発表した2016年の第3四半期の国内総生産(GDP)は前年同期比6.7%増だったといいますが、実際に訪問して見聞きした感触では、少々実態とかい離があるようにみえますし、この成長率を維持していくのは難しいことではないかと感じました。リーマンショックが起きたころは、中国の成長にもっと勢いがあり、中国の存在があったからこそ、あの程度で済んだ印象があります。再びリーマンショックと同程度の不況が起こったとき、中国の勢いが鈍化している今、不況を脱するまでにはもっと長い時間がかかるでしょう。
  最後の訪問は韓国でした。韓国は財閥の力が強く、代表的な10社の財閥系企業に勤めるのは、韓国国内の労働者の僅か6%だそうですが、それらの企業が実にGDPの約75%を稼ぎ出すといいます。裏を返せば、GDPの残り約25%を財閥系以外の企業に勤める94%の労働者が稼ぐという構造であり、格差の拡大といった、社会の歪みを表わしていると思います。
  来週にはフィリピンへの渡航も予定しています。いろいろ調べてみましたが、GDPの成長率も2016年第2四半期の実績で前年同期比7.0%、人口が約1億人、国民の平均年齢が23歳と、インドネシアやベトナムなど周辺の国と比較しても若く、今後の成長が見込まれる国と捉えています。一方で、世界銀行が定める貧困ライン以下で生活している人の割合は25%と国民の貧富の差が大きいことも知りました。実際に現地で様々なことを見聞し、自分なりに気づいたことを改めてお伝えできればと思います。
  各国の状況をみると、どの国にも潜在的な問題があるということに改めて気付きます。こういった変化の大きな時代には、何があってもおかしくないという心構えを持って、日ごろから備えていくことが、経営者として求められます。不動産業界のビジネスを考えると、金融機関の融資が止まるタイミングが必ず訪れます。今までの経験から振り返ると、それはある日突然起こります。遅かれ早かれ不況になりますので、そのときに生き残れる体力を蓄えておくことが重要です。事業分野をある程度、多角化しておくことも有効だと思います。例えば不動産売買だけを生業としている場合、金融がストップした時点で、仕入れも販売もたちまち動きがなくなります。そういった局面でも他に得意な分野があれば、リスクを分散している分、生き残る手だてが見つかるものです。
  最近、Googleなど他業界の一流企業と関わる機会も多くありました。そういったなかでも私の知っている多くの日本企業のやり方は古いということを再認識させられます。安定した雇用が革新や挑戦を阻み、本人の成長、更には企業自体の成長を鈍化させる危険をはらんでいると思うのです。これでは日本の国力が伸びていくはずはありません。当社でも従業員の教育や能力開発に力を入れていますが、そういったやり方も含め、世界に目を向けて様々なことを学ぶべきだと考えています。
林 尚道
代表取締役 林 尚道